樹のトンネルのような深く濃い森に包まれた夏沢旧道。要所要所に道標が立っている
蓼科高原「チェルトの森」別荘地は、茅野市街から夏沢峠へ至る旧道のルート上にある。
夏沢峠は、昭和41 年に麦草峠を越える車道が完成するまで八ヶ岳を横断する唯一の街道であり、
諏訪・茅野地域と小海・佐久地域を結ぶ交通の要衝であった。
歴史ある旧道を往事の面影を偲びながら歩いてみた。
深い森に包まれた旧道は、今のような車社会になる以前、八ヶ岳で分断されていた諏訪地域と佐久地域を結ぶ主街道であり、夏沢峠・本沢温泉・稲子湯を経由して海ノ口まで延びている。
夏沢峠は、奥秩父の雁坂峠・北アルプスの針ノ木峠と共に日本三大峠の一つにも挙げられている。(夏沢峠の代わりに南アルプスの三伏峠が数えられる説もある)
夏沢旧道と上槻木を結ぶ別荘地内のメインストリート
「鳴岩街区」の古田溜池近くにある夏沢旧道の入口
往事の面影を残す石敷きの道
歴史が感じられる歩き始めの旧道。八ヶ岳山麓は8月でも涼しく、爽快なトレッキングが楽しめる
深く濃い原生林の中をひたすら歩くこと1時間。シラカバやダケカンバの群生林が広がり、シャクナゲが生い茂り、道を進むにつれ周囲の風景は刻々と変化。
標高1,600m付近に多かったシャクナゲの群生
清涼感あふれるシラカバの森は絶好の休憩ポイント
夏の八ヶ岳山麓でよく見掛けるアサギマダラ。本州の高地で繁殖し、秋になると暖かい沖縄や台湾へ旅立つ“渡り”をする蝶
八ヶ岳の懐を歩く醍醐味
この先どこまで行けるのか?不安にさせる倒木や岩
針葉樹林に覆われた薄暗い苔むした石の道
足場の悪いガレ場は、細心の注意を払いながら進む
神秘的な苔生した森で異彩を放つ謎の石垣
鬱蒼とした森を抜け、突然視界が開けた眺望ポイント。霧ヶ峰の上に湧き出てくる積乱雲がエネルギッシュだ
八ヶ岳山麓は野鳥の楽園。図鑑でしか見たことがない野鳥が雀のようにいる。雌のルリビタキをカメラに収めることができた
夏沢鉱泉に近づいてくると道がなだらかになり歩きやすくなる
桜平方面と泉野方面の分岐点に立つ道標
朝9時に「チェルトの森・鳴岩街区」をスタートし標高差約700mを歩き続けて約3時間半。労をねぎらうように岩肌を叩く渓流の音が響き渡っていた。
夏沢鉱泉の入口で出迎えてくれた渓流。
硫黄を含んだ水が岩を茶褐色に染めている標高2,000mの涼やかな渓流をご覧いただけます
日本高所温泉5位の秘湯
温泉は日帰り入浴可能だが、昼時に利用する登山客も無く貸し切り状態。浴室は野趣あふれる木造りで秘湯ムード満点だ。
また「夏沢鉱泉」の食事は、山小屋とは思えないおいしさで、しっかりと調理されたもの。オーナーの畑で採れた新鮮野菜がふんだんに使われている。
長年にわたり峠越えの拠点として利用されてきた「夏沢鉱泉」。ソーラーパネル・風力発電装置を備えた現在の建物は、平成11年春に改築されたもの
雲の少ない日には、建物の前のテラスから北アルプスの穂高や槍ヶ岳が望める
自然噴出している冷泉を加熱している夏沢鉱泉。わずかに硫黄の香りがする
渓流の水を玄関脇のシンクに引き、野菜を冷やしている
夏野菜の旨味が味わえる夏沢鉱泉オリジナルカレー
森の切れ目から天狗岳方向を望む。往路で見落としていた風景
花に集うヒョウモンチョウ。緑の森にヒョウ柄の羽根が映える
8月中旬から9月にかけて咲く高山植物ミヤマアキノキリンソウ
機会があったら「夏沢鉱泉」に一泊し,八ヶ岳を越えて海の口方面へ抜ける日本三大峠・夏沢峠旧道を歩き尽くしてみたい。
※旧道を歩く際には、熊除け対策として鈴やラジオなど音の出るものを必ず携行してください。
八ヶ岳へ直接アクセスできる旧道を持つ「チェルトの森」。麓から仰ぎ見ている稜線を自分の足で越えてみたい
