高原の春の息吹に包まれて
首都圏ではすっかり散ってしまった桜だが、標高約1,200mの蓼科湖の近くに鎮座する聖光寺では、今が見頃。本州で最も遅く開花すると称される約300本のソメイヨシノが、境内を埋め尽くさんばかりに咲き誇る。
太平洋側の平地より一ヶ月近く遅れて咲くので、もう一度、春を迎えられたような気分になれる。
蓼科高原よりさらに標高の高い霧ヶ峰高原の八島ヶ原湿原では、ようやく草木が芽吹きはじめ、春の息吹に包まれている。
八島ヶ原湿原は、300種類以上の植物が生育する我が国有数の高層湿原で、木道を歩いていくと紫紅色のサクラスミレや薄紫色のタチツボスミレ、黄色いキジムシロなどが競い合うように花を咲かせている。
山野草の花々の次は、いよいよ新緑の季節。本格的なリゾートシーズンの幕開けだ。