夏から秋へ、季節の狭間で。

2017/09/15/ 11:39:53
カテゴリー:森暦

九月に入り、空の色も、風も、すっかり秋めいてきた蓼科高原。
八ヶ岳エコーラインを走っていると、車窓には初秋の風物詩・満開の蕎麦畑をよく見掛ける。

車を路肩に停め蕎麦畑に近付くと、畑一面に白い絨毯を敷いたような美しさ。

蕎麦は他家受粉作物といって、蜂などの昆虫が行き交うことで受粉し、実をつける。花の開花期間が約1ヶ月と長いため、雨が降って昆虫が飛んでこなくても、晴れたらまた受粉ができる、とても生命力が強い作物なのだ。

清楚で可憐な白い花。でも実は強くてたくましい。
花言葉に『懐かしい思い出』、『あなたを救う』とあるように、
蕎麦の花を眺めていると、
優しさに包まれるかのように心が癒され、穏やかな気持ちになってくる。

再び車を走らせ、窓を開けると澄んだ空気が肌を撫で、ひんやり心地いい。
爽やかな初秋の風に、たわわに実った稲穂がさらさらと揺れている。

八ヶ岳の上空にはまだ名残惜しそうに入道雲が浮かんでいるが、
山から遠ざかっていく雲たちは、散れじれに秋模様へと変わっていく。

まさに夏から秋への狭間にいるんだなあ。

▲ページトップへ